こんにちは!naoです。
12年以上特別養護老人ホームで勤務し、今は訪問介護の現場で日々奮闘中です。
父の死をきっかけに
父の死をきっかけに、介護の仕事をやっていこうと決めた私は、当時勤めていた会社に退職の意思を伝えました。
思いをきちんと仲間に話し、円満に送り出してもらうことができたのは、今でもありがたい思い出です。
新しい世界への第一歩
そして1ヶ月後、ドキドキしながら介護施設に入社。
私が入職した施設は、特養だけでなく、デイサービスや就労支援、居宅サービス、食堂、看護など、さまざまな部門を持つ大きな法人でした。
最初の数日は研修期間。
各部署を回って説明を受けたり、配属予定のフロアで少しだけ利用者さんと関わる時間もありました。
でも、ここが一番の難関でした。
営業職だった頃はたくさんの人と話すことが楽しかったのに、
特養では認知症の方や会話が難しい方が多く、どう接していいのかわからず…
何を話しても反応がなく、同じ人のところで同じような話をする毎日が、正直とても苦痛でした。
「早く研修終わらないかな…」
そんなことを考えながら、毎日をなんとかやり過ごしていた気がします。
初めての体験だらけの日々
とはいえ、研修の内容自体は新鮮で興味深いものでした。
一日中ベッドで過ごす体験、オムツ装着、トロミ飲料の試飲など、
どれも今まで経験したことのないことばかり。
初めての事ばかりでとても楽しく「こういう世界なんだ」と感じながら学ぶことができました。
そして、現場へ
2週間の研修が終わり、いよいよ現場へ。
配属されたフロアで、早番・日勤・遅番の仕事を一つずつ覚えていく日々が始まりました。
出勤時間によって仕事内容が少しずつ違い、
早番にもいくつかの出勤パターンがあり、同じく遅番にもパターンがありました。
出勤時間によって、任される仕事の流れや内容、優先順位が微妙に変わるため、
「この時間の時は何をやるんだっけ?」と戸惑うことも多かったです。
掃除、ベッドメイキング、入浴介助、オムツ交換、車椅子の移乗、トイレ介助…
とにかく覚えることが山のようにあって、毎日ぐったり。
メモを取り、先輩に聞き、またメモしての繰り返し。
現実にぶつかった瞬間
現場に出てみて最初に感じたのは、「想像と違う」でした。
研修中に「こういう対応はダメ」と言われていたことが、実際の現場では普通に行われている。
そのギャップにショックを受け、家に帰っては友人に愚痴の電話をしていた日もありました。
「介護って、もっと優しく寄り添う仕事だと思ってた」
そんな理想と、目の前にある現実とのギャップに心がついていかない時期でした。
少しずつ、自分の形へ
それでも、3ヶ月が経つ頃には少しずつ慣れ始め、
利用者さんの顔と名前も覚えられるようになって、会話も自然にできるようになってきました。
先輩たちのやり方を見ながら、
「これは真似しよう」「これはやりたくないな」と、自分なりの介護の形を探し始めていた頃。
そんなある日、主任から声をかけられました。
「そろそろ、夜勤入ってもらおうか」
日勤帯では、なんとかやってこれた私。
でも、夜になると様子が変わる利用者さんもいると聞いていたので、
「私にできるのかな…」という不安が胸にじわじわと広がっていきました。
【次回へ続く】
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