【離れて暮らす親の認知症】
気づけないまま進行?不安を「安心」に変える3つの備え
親と離れて暮らしていると、「もし親が認知症になっていても、自分は気づけないんじゃないか…」と、漠然とした不安を感じることはありませんか?
「元気だと信じたい気持ち」や「まさかうちの親に限って」という思いから、小さな変化を見過ごしてしまう。そして、いざという時に「もっと早く気づいていれば…」と後悔する。これは、離れて暮らす多くの介護家族が抱える共通の悩みです。
この記事では、そんなあなたの不安を「安心」に変えるための具体的な方法をお伝えします。
この記事でわかること
- 離れて暮らす親の認知症に気づきにくい本当の理由
- 「気づけなかった」家族のリアルな体験談と、そこから学ぶ教訓
- 今日からできる3つの具体的な備えと、すぐに使えるチェックポイント
- 家族の不安を和らげる見守りサービスの活用術
離れて暮らす家族の“見えない不安” ──なぜ認知症の兆候に気づけないのか
離れて暮らしていると、親の小さな変化に気づくのは非常に難しいものです。
- 電話では元気に振る舞う親: 心配をかけたくないという親心から、不調を隠して電話では明るく話すことが多いです。
- 年に数回の帰省では変化を察知しにくい: 短時間の滞在では、日常の些細な変化を見逃してしまいがちです。
- 本人が不調を認めない・隠すケース: 認知症の兆候を自覚していても、プライドや病識の欠如から隠してしまうことがあります。
- 子世代の「大丈夫だと思い込みたい」気持ち: 親が老いる現実を受け入れたくないという気持ちが、変化を見過ごす原因になることもあります。
厚生労働省の調査では、認知症の約7割が家族や周囲の気づきで判明していますが、一方で、気づかないうちに症状が進行してしまうケースも少なくありません。
【体験談】気づいた時には 「もう一人暮らしは限界」だった
ある50代の女性会社員Aさんの話です。
月に一度実家へ帰り、母親の様子を見ては「まだ元気で安心」と思っていました。しかし、ある日、ふと開けた冷蔵庫の中を見て、言葉を失います。
「賞味期限切れの食材が大量に残されていたんです。しかも同じものが何個も…」
さらに詳しく観察すると、これまで気づかなかった異変が次々と見つかりました。
- いつも同じ洋服ばかり着ている
- お金の使い方が明らかに不自然(高額な健康食品の購入など)
- 定期的に通っていた病院の記録が途絶えている
Aさんは「どうしてこんなになるまで気づいてあげられなかったんだろう」と自分を責め、これからの介護生活への不安で胸がいっぱいになったと言います。
小さな異変を見逃さないことが、いかに大切かを痛感する出来事でした。
認知症の進行を“見逃さない”ために、 今すぐできる3つの備え
「気づけなかった」という後悔をしないために、今日からできる具体的な備えを3つご紹介します。
1. チェックリストで“初期サイン”を見逃さない
離れていても、電話や短い帰省時にチェックできる項目があります。複数当てはまる場合は、注意が必要です。
- 同じ話を何度も繰り返すことはありませんか?(電話での会話も含む)
- 財布や鍵、携帯電話など、大切なものの置き場所が頻繁にわからなくなっていませんか?
- 料理の味付けが急に変わったり、ガスや火の消し忘れが増えていませんか?
- これまで楽しんでいた趣味や外出への関心が薄れていませんか?
- 新しいことへの意欲が低下したり、億劫がることが増えていませんか?
✅ポイント:離れていても定期的に「家族用チェックシート」を活用しましょう。記録することで変化に気づきやすくなります。
2. 見守り機器・サービスを賢く活用する
「頻繁に帰省できない」「連絡が取りにくい」といった場合でも、最新の見守り機器やサービスは、親の日常の様子をさりげなく把握するのに役立ちます。
- 見守りセンサー付き家電(電気ポット、冷蔵庫など): 電気ポットの使用状況から、起きる時間や活動リズムを把握できます。
- 人感センサーや開閉センサー: 部屋の滞在時間や、ドアの開閉回数から生活パターンを知ることができます。(プライバシーに配慮し、カメラなしのタイプも多数あります)
- GPS付きの徘徊対策機器: 外出時に万が一のことがあった場合でも、居場所を特定できます。
✅ポイント:生活のちょっとした変化に「気づける」安心感が、離れて暮らす家族の不安を大きく和らげます。
3. 早期診断につながる「かかりつけ医」との連携を
認知症は、早期発見・早期治療が何よりも大切です。異変に気づいた時に慌てないよう、事前に相談できる場所を知っておきましょう。
まずは、お住まいの地域の地域包括支援センターに相談してみてください。
- 地域の医師や認知症サポート医の紹介
- ケアマネジャーとの連携
- 医療機関への受診を嫌がる場合の対応相談
など、多岐にわたるサポートが受けられます。
✅ポイント:「〇〇市 地域包括支援センター」で検索すると、お近くの窓口が見つかります。
不安を「行動」に変えることが、 親とあなたの安心につながる
「もしかしたら…」という不安を感じながらも、
- 親にどう切り出せばいいかわからない
- 認めたくない、つい先延ばしにしてしまう
そんな気持ちも、すごくよくわかります。
しかし、認知症は早く気づくことで、適切な支援につなげたり、生活を整えたり、進行を緩やかにできる可能性が高まります。
今、小さな一歩を踏み出すことが、将来の大きな後悔を減らすことにつながるはずです。
おすすめの一歩: まずは家族でも使いやすい「見守りグッズ」から始めてみませんか?
まとめ: 離れて暮らす親の認知症不安には 「備え」と「連携」がカギ
- 離れていると気づきにくい「認知症の兆候」は、親のプライドやあなたの思い込みも影響する。
- 体験談から、小さな異変を見逃さないことの重要性を学ぶ。
- 今日からできる3つの備えは、定期的なチェック、見守りグッズの活用、地域包括支援センターとの連携。
✅今できることを一つ始めることで、ご自身の不安も少しずつ軽くなり、親御さんとの関係もより安心できるものになるでしょう。
コメント